「滅びの美学」

  永遠(とわ)に眠らない死を

軍靴の息は混迷の世に響き渡り、鈍色の犬は其れを謳歌し笑う
踏み躙られた飢餓から生まれた少年は、子宮の淵より猥褻を持ち出す
加虐性愛は理解されず迫害の重しとなって、捨てられた孤独に拍車をかける
そう、それはまるで胎児の夢、おぞましき愛、再現し、裂いて、悲愴と為る

 

涙は地に枯れ果てて 芥の獄に消え
朝日の露と溶け失せて 自由の性(さが)に帰(き)せ

壱節「灰燼(怪人)の魔」男は囚われ人格否定、受けては彷徨う岐路の礎
弐節「悪徳の栄え」純たる愛などバラバラ裂かれ、蔓延る姦淫、世は末期
参節「美徳の不幸」御子に焦がれし依存の庭で、男は傀儡と交わり堕ちる
肆節「淬ぐ喝采」贄を鞭打ち歪みを満たす、犠牲の数だけ救われない

瞳映る 少女は蔑み憐れむ
抱き遂げた 鼓膜のその裏で永久(とわ)と囁く

涙は地に枯れ果てて 芥の獄に消え
朝日の露と溶け失せて 自由の性(さが)に帰(き)せ
嗚呼 余話(とわ)に刻む 死の毒の香りには
咲(裂)き濡れる 加虐の寓意に触れられる侭
「消えたい、消えない」
「消せない」