「落滴」

茜 焼け野原 刻む頃
竦む 脚に只 時を知る

然う 何も変えれず 虚勢の裏で濁る鼓動
漫ろに虚しく 悔やむ自責は頬を伝う

 然れど成れど 落日に問う
「其れは誰の為に? 己が為に?」
 蔑む闇が
殊更に 口を噤む
せめて人らしくと

虐待、逆転、虐殺、上澄みのような表層の惨劇は繰り返す
どうやっても拭えない深層の自分、問いかける声は矛盾する
生かされ流された利己的命の外衣に鮮血の花は
「咲く」

軈て 空は哭き 落ちるのに
汚れ 押し黙る 河に消ゆ

 

折り重なり倒れる父子の骸には掛ける言葉も見当たらない
数多の生殺与奪の前で流れた物すら懺悔でなく
我が身可愛さの後悔であったろうと
内なるもう一人の自分が冷笑する
人間的であろうとしたが故に落ちたとしても
その滴はなんて身勝手で矮小な……

然う 無にも還れず 犠牲の夢で眠る事も
心を引き裂く 折れぬ刃先は尚も痛む

病めど慣れと 着実に乞う
「其れは誰の為に? 己が為に?」
 蔑む闇が
殊更に 口を噤む
せめて人らしくと