邯鄲の夢

男は夢現つ、一つの幻想を見ていたのだろう。
粥が煮えるまでのほんの刹那の夢。
虚栄、虚構、虚像、虚飾、そして虚無。
全てを手にし、全てが零れ落ちた。
本当は初めから分かりきっていた結末が、見ない振りで取り繕う首を締める。
醒めて膠着、褪せるは自若。
帰結が回帰の庭で、惨めに産まれる。

そう、全ては
「邯鄲の夢」

男は、さも当然の事であるかの様に其処を目指した。
旅路と呼ぶにはあまりにも長すぎた道、其れは原風景の裏路地から延びていた。
疲労困憊の踵を泥濘の路傍へと止めれば、諦めが美徳を装う。
辿り着く事こそ清算の証であると言う確信、それが男を支えていた。

 

心眼懐胎
真贋傀儡

存在の死

語り部曰く「人生万事塞翁が馬」

軈て流れ着いた場所で、鬱積した感情は花開く時を謳歌する事になる。
手にした物が、また先の欲求への切符と変わり、昇華は連鎖する火花のようだった。
赤い花は華を咲かせ、実を結び、新たな種となるだろう。
時に挫折も味わう事になるが、その度に這い上がり、魂が精悍を彩っていた。

 

心眼書いた意
心願界雷

 

存在の死

傲れなくとも久からず、栄枯盛衰の足音は決して尊大に響きはしないままだった。
失う事に怯えながら少しずつ失っていったのだろう。そして椿の如く、ぼとりと落ちる。
その一瞬の永遠の中で、背中に灼熱の痛みが突き刺さり、眼醒める
そして気付くのだ。まだ何も始まってすら居なかった事に。そう、全ては……。

 

心眼懐胎
真贋傀儡
心眼書いた意
心願界雷

存在の死