
ザラリ莞打つ縮退
囂囂哭いてる嵐の夜に
謗法 這い出る薊が割れた
狐は瞞し貍は化かし
稚児の心は何処の幻月
不達(双つ)の雌花は賢しく育って
密々、影践む童が囲う
鴉がカァカァ鳴いてる夕暮
宿り木知らずと嗤って聞こえた
同意?同意?
拗れし花実は野辺送り
解け得ぬ糸
表裏違えた衣は偽れぬ
独り、掌這わせし、胸
「噎せ返る様な暑い夏の日、記憶に膠着く藺草の匂い
大瑠璃の声に混じって、母は何時も泣いて居た
私と言う一人称は何時でも邪魔だった、僕を何一つ表してはいないのに
二又に別れた二つの自分が、うねるように蠢いていた」
拗れし花実は野辺送り
解け得ぬ異図
表裏違えた衣は偽れぬ
火採り、手の平、袷
童歌、聴こえし岐路、笑み
然りとて、眩暈は闇
紅い井戸、揺らめく碧を瀬に
空虚に尖がらせていた眼