過去上演 演目

「死んだ様に生きるか?生きるために死ぬか?」 

赤い髪の女はこの枯れ朽ちた地で 
出自故に不可避な選択を迫られる 
真っ当に生きることも真っ当に死ぬことも出来ずに 
ただただ空虚に時は流れ彷徨う 

 

双極の女は因果応報の輪に囚われ 
恩讐の道の途中で降り注いだ罪を 
自らもまた繰り返す 
悲劇で歪んだのは自分と気付かないまま

第四の世界が終わりを迎え、その終幕に瓶一杯の灰が降り注ぐ時 
人と人との繋がりもまた霧散する 
大地は枯れ 
文明は朽ち 
水は汚れ果て 
仄暗い灰は空を支配する 
大陸の強国は互いを破壊し尽くし灰燼と帰した 
生き残った人々は救いを求め新たなる社会を模索、割拠していた 
ある者は文明賛美と秩序を 
またある者は精霊信仰と混沌を

黒い羽の男は宿命のもう一つの形を映し出す 
信じた正義は一つの断面に過ぎず 
それ故の災禍に絶望し、諦観の峡谷に突き落とされ 
あの日と変わらぬ空を見上げながら 

鈍色の犬は異端の心を否定され 
狭い箱に閉じ込められた様な心を徐々に狂わす 
何一つ願いなど叶うことはなく 
孤独からの救いを錯覚と刷り込みに求める 


善悪正否の選択の果てにあるのは虚無か、或いは解放か- 

​生識智死

世界大戦に参加しなかった架空の1940年代の日本。その片田舎にある「特異点の村」が舞台。
ある事件をきっかけに幼少より蔵へ幽閉され成長した、無垢で明るく、とある点に奇異な才を発する本家筋の娘、「朔望の爪」。
分家の娘で平凡な少女であったが類まれな努力で当主候補に成りあがり、己の中の「あること」を隠しながら生きる「雄庸の歌女」。
 
そしてその村にやってくる二人、「黒橡の狛」と「露払いの鴉」。